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原発コストのからくり 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先日のWBS(TV番組)で原発の発電コストについて特集をしていました。

 

以前から原発の発電コストはほかの発電方法の発電コストよりも安いということに疑問を呈してきましたが、今回の原発事故でコスト計算のからくりが広く知られるようになったのは、不幸中の幸いというのも皮肉なものです。

 

そもそも発電コストはどのように計算されているのか曖昧にされてきました。一般的には施設の建設、メンテナンス、耐用年数から割り出すようです。

 

今までは太陽光発電が一番高く1kwhあたり約49円、火力発電が約10,7円、原子力発電が約5,3円でした。自然エネルギーは原発の約10倍コストがかかるので普及は簡単ではないと結論づけられ、発電コストも安く二酸化炭素も出さない原発が一番!といわれていました。

 

太陽光発電では耐用年数は20年で計算し、それに設備投資にかかるコストと発電能力を加味して計算されます。原発は耐用年数40年で計算しているようです。しかしこれもはっきりとしたものではなく、年々耐用年数を引き延ばしているようです。

 

太陽光発電の場合、設置してしまえば燃料代はタダです。つまり燃料コストは0円です。一方、原発の場合は核燃料を購入しなくてはなりません。濃縮ウランはアメリカやロシアなどからも購入しています。いくら安くてもタダではありません。

 

この条件のもとで発電コストの計算をしてみると確かに原発が一番安くなります。しかし、忘れてはいけないものがあるのです。

 

それは核廃棄物の処理費用(核燃料、施設解体など)、原発建設地域への補助金や交付金、夜間などに余った電気を使って、水力発電用の水をダムの上に汲み上げて昼間に水力発電として使う揚水発電所の建設費用(発電所では急激に発電量を変化させることができないため、余った電気を有効利用するために揚水発電所を同時に建設するそうです)です。

 

これらは直接発電に関係しないのでコスト計算に含まれておらず、含む必要がないと言っています。おかしな話です。

 

原発事故前に一番問題だったのが使用済み核燃料の処理施設の建設や建設場所でした。これらがまだはっきりと決まってないのに原発を推進してきました。いずれ解決するだろうという甘い考えです。

 

全く解決しないまま今回の原発事故です。使用済み核燃料の処理よりももっと直接的に核の脅威が降りかかってきました。原発はお金で解決できない恐怖を持っています。ほかの発電方法だと事故が起きても何とか処理できますが原発はそうはいきません。

 

今回の事故で原発の恐ろしさ、発電コストのからくり、情報操作や隠蔽体質、政治と経済の過剰な癒着などが明らかになってきました。まだまだ隠されたデータや資料があるようです。

 

TVでは弘前大学の教授が情報公開を求めて得られて資料には、ほとんどを真っ黒に塗り潰されたコピー用紙がありました。原発に関わるお金で何をそんなに隠す必要があるのかといぶかっておられました。全くその通りです。

 

今はエネルギーについて多くの人が関心を持って考えていく時だと感じています。

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